こんにちは、スタッフ野田です。
「ルールについて その3」です。

ルールについての最後の問題となります。
では早速配置図をご覧ください。ゲームはナインボールです。
プレーヤーAは見事なセーフティを決め、下図のような配置をプレーヤーBに残しました。
        ↓

「どうやったらこんな配置が残るんだ?」という疑問はさておき、ファールすれば1・9のコンビでおしまいという状態です。手球は完全にブロックされて1番に当てることはおろか、コンビの配置を壊すことさえ困難です。(ただ、可能性は低いですが起死回生のショットが存在します。)
のっぴきならない状況に追い込まれたプレーヤーBは、レフリーである貴方にナインボールでは故意のファールが認められていることを確認して、キューで直接9番を撞いて下図のように9番を8番にくっつける配置にしました。プレーヤーAは手球を手にしましたが、どうも釈然としない表情です。
あなたはレフリーとして、これを黙って見ていますか? 
        ↓

もしあなたが全権を委託されたレフリーなら、プレイヤーBをトーナメント会場の出口へ案内して出て行ってもらいましょう。つまり「失格」です。罪状は「スポーツマンシップに反する行為」という第一級犯罪です。
故意のファールが認められているといっても、それはビリヤードとしてプレーする範囲内での話です。
キューで手球を撞くというのはビリヤードの大原則であり、それをしないのであればそれはもはやビリヤードではありません。ビリヤードをしない人にビリヤードの試合に出る資格がないのは当たり前でしょう。
もしこのような行為が認められるなら、ファールを覚悟の上なら好きなように的球を動かして困難な配置を容易に作り出せることになってしまいます。セーフを取るのが難しく、相手に取り切られそうな配置になったら、2個の的球をくっつけて「球ざわりファール」と言っておしまい・・・ こんなことが許されるはずがありません。
確かにこの配置から1・9コンビを壊すことは難しいのですが、どんなに絶望的でもスポーツマンとしての道に外れてはいけません。
ルールでは「スポーツマンシップに反する行為」として以下のような例が挙げられています。
1.相手のプレーを妨害する。
2.ボールの配置を「ショット」以外の方法で変える。
3.意図的にキューミスをする。
4.レフリーにファールを宣告されたり、プレーの中断が指示されているのにプレー継続する。
5.試合中に練習する。
6.テーブルに印をつける。
7.意図的に遅いプレーをする。
8.適正でない道具を使用する。
この他に、キッチン内フリーボールで手球をキッチン内の的球に意図的に直接当てる行為なども含まれます。
どれも不注意などではなく、悪意を持って行われると認識されるもので、今回の場合は2に該当するわけです。
5も気をつけましょう。ミスショットした後に隣の台で空ストロークしたりしてチェックしたくなる気持ちは分かりますが、度を越すと相手プレーヤーにクレームを付けられるかも知れません。
なお、トーナメント・ディレクターがいるなら状況を報告して裁断を仰ぎましょう。プレイヤーAに1点与えて
ゲーム続行という温情判決になるかもしれません。

ちなみに、この配置でスタッフ野田がトライする必殺ショットは下図のようなものです。
        ↓

実演動画もご覧ください。

2020年12月25日の「不可能を可能にするショット その6」でご紹介した、クッション・ジャンプの応用です。
ただ、ほぼテーブルの対角線に沿った長距離ショットなので、成功率はかなり低くなります。
手球には前進回転がかかって着地したあとのコースが不安定になるので、
できるだけ1・9番の近くまでダイレクトに飛ばすのがコツです。
動画をよく見ると、最後に押しのカーブがかかっていることが分かります。
1・9コンビではありませんでしたが、スタッフ野田は試合で一度だけこんな配置で成功したことがあります。

あらゆる場合に対応できるようにルールを完備することはなかなかに難しく、ゲーム内容の変化や道具の進化などに対応してルールも変更されていく必要があります。
ルールに明記されていないような事が起こったら、多くの場合は関係者間で相談して解決するということになるでしょう。

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