こんにちは、スタッフ野田です。
ビリヤード雑誌「ポケットハウス」第5号 #3 のご紹介です。

37~41ページ

スタッフ野田が毎号楽しみにしていた奥村プロのビリヤード教室のコーナーです。
最初はシュートアウト(プッシュアウト)の説明です。
ブレイク後の運・不運の要因をできるだけ減らすために考案されたルールですね。
当時はラックシートなどというものはなく、ブレイクはできるだけ強く撞いてラックを散らし、あとはほとんど運任せという状況でした。

次にテクニック講座としてバックスピンを使って手球を殺す方法の解説があります。
これはテーブルのコンディションも絡む難しいテクニックで、このブログのテクニック講座でご紹介したスタンランスルーの応用ともいえます。
そしてバンクショットの解説がありますが、できるだけバンクは使わないようにすべきであるという注意も書かれています。
また、セーフティについての奥村プロの考えも述べられています。
それは「上級者は入れの可能性のある配置に猛然とチャレンジしてきた結果、セーフティの境地にたどり着いている」というもので、初心者が難しい配置だからと安易にセーフティに走るようでは上達できないと警鐘を鳴らしています。
スタッフ野田は今でもこれが正しいと信じています。
勿論セーフティが最善策となる場合はありますが、初心者が難しい配置をセーフティで逃げてばかりいたら上手くなるはずがありません。
更に短クッション間の切り返し(縦返しと呼ばれるものです)や最後の⑨へのポジション方法など、盛りだくさんの内容です。
スタッフ野田なら図11で⑧へのフリを大きめにとって最後の⑨(上のサイドポケットのすぐ右下に⑨がある)は上のサイドポケットに狙いますが、この図はテーブルとボールの大きさの比率が正しくないので、⑨は上のサイドへは厳しい配置という前提なのだと思われます。

42ページ

奥村プロへの質問コーナーです。
「奥村プロのノウハウをすべて公開して欲しい」という質問に対して、「トーナメントで全力でプレーしている私(奥村プロ)を見に来てください」という回答が秀逸です。
奥村プロがアマチュア時代に、試合で浪江隆プロに圧倒的有利な状況から逆転負けしてプロの底力を思い知ったという話が紹介されています。
スタッフ野田も同じような経験があるのでちょっとご紹介します。
時は1990年9月15日、スタッフ野田が名古屋に住んでいた頃の話です。
行きつけにしていたビリヤード場でローテーションのオープン戦が開催され、観戦していた時のことです。
藤間一男プロ(プロ組織立ち上げの中心人物となったレジェンドです)と地元のアマチュアプレーヤーの対戦でした。
コールショットの240点ゲームだったと思いますが、藤間プロは相手に150点以上リードされており、相手の残り点はあと数点ほどという絶望的な状況で藤間プロにターンが回ってきました。
最初に当てるべき的球は手球のすぐ近くにあるのですが、直接ポケットすることはもちろんバンクショットのコースも全てふさがっているという運のない配置でした。

*的球の配置は適当ですが、こんな感じの配置でした。

セーフティするのかなと思って見ていたのですが、藤間プロは「クッション」をコールしました。
当時、ローテーションでは空クッションで的球に当てればどの球がポケットしても有効というルールがあったのです。もちろんこれは一か八かの危険なショットです。
藤間プロは直接見えている的球をあえてワンクッション入れてから当てて見事にそれをポケットしました。

これはもちろん右下コーナーを狙っているのですが、プロでも成功する可能性は低いショットです。
その後、藤間プロは残りの配置を取り切り、さらに次のラックもランアウトして逆転勝利したのです。
プロの技術と根性、そして恐れを知らぬクソ度胸(?)に驚愕した瞬間でした。
試合後、藤間プロになぜあんな危険なプレーをしたのか質問したところ、「なんとなく入る気がしたから」という回答でした。また、「劣勢を挽回するためには、1発決めて波に乗る必要がある」ともおっしゃっていました。このあたりはプロレベルの境地にいる人にしかわからないのかもしれませんね。
ちなみになぜこの日付が正確に分かるかと言えば、その時に藤間プロの著書「入門ポケットビリヤード」に
日付入りのサインをもらったからです。

サインにPBCJとありますが、これは現在のJPBA西日本のことです。
当時は東日本はJPPA、西日本はPBCJという組織となっていました。

ポケットハウスのこのページには木村義一プロ(故人)の曲球解説がありますが、これもスタッフ野田の楽しみの1つでした。
この曲球を実際にやってみたのでご覧ください。

この配置は①~④をただ一直線に並べただけではおそらく成功しません。
①②と③④を別々に考え、まず①②だけを並べて試し、両方一度にポケットできるところを探します。
①②の位置が決まったらその横で今度は③④がポケットできるところを探します。
③がスリークッションするので、テーブルコンディションによって微妙な調整が必要です。
④がサイドに向かうようにしながら③④の位置を少しずつ変えて試してください。
実演動画でも実は②と③の間には少し隙間があり、こうしないと③がコーナーへ向かいませんでした。
ゲームの合間の息抜きにでもチャレンジしてみてください。決まれば爽快です。

43~50ページ

よこみぞ邦彦氏の連載漫画「すくらっちハスラー」です。
劇画界の第一人者さいとうたかを氏のアシスタントをしていたよこみぞ氏ですが、あまりシリアスな影響は見られず、どちらかというとコミカルな画風で楽しく読めます。

今回はここまでです。
キューショップでは多くのビリヤード関係の書籍を取り扱っておりますので、ぜひご覧ください。
小学館で連載中の本格的ビリヤード漫画「ミドリノバショ」の最新刊も入荷しています。
「ミドリノバショ」の作者である岡Qさんはビリヤードの造詣が深く、従来のような荒唐無稽なショットを連発するものとは一線を画しているスタッフ野田オススメの漫画です。

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