こんにちは、スタッフ野田です。

さて、どんな競技でもそうですが、練習を重ねて技術や能力が向上してくると他の人と腕比べをしたくなります。
ビリヤードでも練習を積んでそれなりに腕前が上がってくると、仲間内でゲームをして勝ち負けを競うようになり、さらに上達を目指してハウストーナメントや公式戦に参加する人も多いですね。
しかしそういったゲームの腕を競うこととは別に、手球のコントロールの限界、いわゆる「キュー切れ」にチャレンジするということもあると思います。
そこで今回はそんな配置を集めてご紹介しようと思います。

キュー切れで最初に思い浮かぶのは強烈な押し球と引き球でしょう。
これはある雑誌で紹介されていた押しと引きで手球の動いた距離を見るものです。

的球はセンタースポットに置き、手球はヘッドライン上で球1個分ほどのフリを付けます。
この配置で的球を入れて、どれだけ手球を走らせられるかを試すものです。
引き球の配置では、手前の短クッションに戻ればC級、下の長クッションまで届けばB級、サイドポケットを超えればA級です。(あくまでキュー切れに関してだけのクラス分けです)
JPBFプロのS氏が若い頃にこれにチャレンジしたら、手球が3クッションしたあと左上のコーナーにスクラッチしたそうです。
押しの配置では手球がテーブル中央を超えて手前にくればC級、手前の短クッションに届けばB級、2クッションしてテーブル中央近くにくればA級です。
左の短クッションに3クッション目が入るというツワモノもいると聞きます。

「馬車引き」と呼ばれるテーブルを対角線に横切るコースで手球を引き戻すのにチャレンジした人もいると思います。

ただ、これはキューを立てて行なうもので、通常の引き球とは異なる技術が必要です。

こういったショットはラシャのコンディションに大きな影響を受けるので、チャレンジする際にはそれを加味することも必要になってきます。

このような「どれだけ手球を大きく動かせるか」といったものとは別に、「いかに効果的なスピンを手球にかけられるか」を試す配置もあります。
これは結構ポピュラーな引きの切れを試す配置です。

センターに置いた的球をフット(あるいはヘッド)スポットに置いた手球でコーナーに入れて、手球をサイドポケットの手前に引きもどすというものです。
これもボールやラシャのコンディションに左右されますが、サイドポケットにスクラッチがやっとだという人が多いと思います。
これができるという方は、これをもっと難しくした下記の配置を試してみてください。

的球はフットスポット・手球はヘッドライン上で、手球をワンクッションでサイドポケットより手前にもってくるというものです。
ヒネリ(この図では右ヒネリ)も入れなければならないため、引きが甘くなってしまう可能性が大きい非常に難しいショットです。
これができる人は鋭いキュー切れを持っていると自慢していいでしょう。ちなみにスタッフ野田は一度も成功したことがありません。
これができる人のショットを近くで何度も観察した結果、成功のカギは手球のスピードだとスタッフ野田は思っています。
できる人のショットをみると、的球に向かう時の手球のスピードができない人に比べて明らかにゆっくりなのです。手球のスピードが遅ければ的球に当たったあとすぐに引きのカーブがかかり、長クッションにほぼ垂直に入ります。そして横スピンで手前へ戻ってくることができるというわけです。
しかし手球をゆっくり撞けば引きの回転も弱まってしまいます。手球のスピードは遅いがスピンは強いという、この相反する条件を高いレベルで実現しなければ成功しないわけで、これはもう理論がどうのというより感性の問題なのかもしれません。

もうひとつ引き球のチャレンジで有名なものをご紹介しましょう。 

「手球と的球の追いかけっこ」と言われているものです。
センタースポットに的球、ヘッドライン中央に手球を置き、引き球をします。
的球が向かい側の短クッションに反射して戻ってくる前に手球を手前の短クッションに戻すというものです。
ちょっとコツを掴めば多くの人ができる配置ですが、成功したら的球の位置を球1個分遠くへ離し、どこまで遠くして成功させられるかを試します。
スタッフ野田の知人の中では球4個遠くした位置から成功させたのが最高です。

このような手球をどれだけシャープに動かせるかというチャレンジがある一方で、逆にどれだけ手球を動かさないでいられるかという、いわゆる「殺し球」のチャレンジもあります。
代表的なものはこれでしょうか。

フットスポットに置いた的球をヘッドラインに置いた手球で入れて、手球をノークッションで止めるというものです。
こんな長距離の球をゆっくり撞くことは大変危険なので、ゲームの中では避けるべきショットですが、こういった長距離のスローショットをしなければならない場合もあります。
成功させるために重要となるのは当たり前ですが「力加減」で、あとはテーブルが水平でラシャがきれいな状態であることを祈るしかありません。

突然ですが、ここでスタッフ野田の偏見に満ちたひとり言を言わせて頂くと、ビリヤードをプレーするうえで何が一番重要かといえば、力加減であるとスタッフ野田は考えています。
多くの人は「いや、的球を入れるための厚み(狙い)の方が重要だ」と思っているかもしれません。しかしいくら厚みが正確でも的球が見えなければ話になりませんし、見えてもバンクショットなどの不確実なショットしかできないような位置では取り切れる可能性は大きく下がります。
確かに初心者のうちはまず的球を入れる厚みを覚えることが最優先であることに異論はありません。
スタッフ野田も「見えた的球は全部ポケットできるまで練習してやる!」と燃えていた時がありました。しかしどんなに練習してもそんなことは不可能なのです。
それよりも力加減(=ポジションプレー)の練習に注力して的球をポケットできる可能性を高める方が重要、つまり難球を入れるための練習より、難球にならないようにする練習をした方が効率的であるということです。
これはもちろんその人の技量や性格、ビリヤードに何を求めるかなどによっても変わってきてしまう問題なので一概には言えないのですが・・・

殺し球を試す配置をもう1つご紹介しましょう。

手球はセンタースポット、的球は2ポイントでクッションにくっついています。
この配置で的球を入れて、手球がロングラインを超えないように、つまりこのテーブル図の下半分にこないように止めるというものです。
コツとしてはヒネリ(この図の場合右ヒネリ)を入れて、クッションとの摩擦を利用して手球にブレーキをかけます。
コンディションにもよりますが、キューが切れる人なら長クッションから1ポイントくらいのところで手球を止めることが可能です。

さて、キュー切れを競う配置をご紹介してきましたが、難球を入れられるかというチャレンジもあります。

的球はフットスポット、手球はヘッド側のコーナー穴前です。
これを図の方向へカットするというものです。
実際に配置してみると、とてもカットできそうに見えませんがちゃんと入れる厚みはあり、手球は的球をカットしたあと、フット側の短クッションに入ります。
実際のゲームでチャレンジするには成功率が低すぎてオススメはできないのですが、一見するとカットできないように思えても案外可能性があることをこの配置は教えてくれます。

以上、いろいろな配置をご紹介してきましたが、実はスタッフ野田はこういったものが苦手です。
知人たちが易々と成功させるのを見ていると嫉妬を覚え、日本一キューが切れないのは自分では
ないかと思えてきます。
球仲間たちと息抜きに試してみると結構盛り上がりますので、お試しあれ。

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