ネバダ州ラスベガスの郊外に工房を持つプレミアムキューメーカー、サウスウエストです。
ジェリー・フランクリンがカーセンブロックの教えを受けてキュー製作を開始し、1996年にジェリーが急逝した後は奥さんのローリーを中心に製作を続けています。
大変人気のあるアメリカン・カスタムキューであり、伝統的な親子6剣デザインのものが多いのですが、浮きハギとインレイを駆使した「ファンシー・サウス」と呼ばれるキューも少数製作されています。特に今回ご紹介するものは鳩がインレイされた「ダブ・キュー(Dove Cue)」と呼ばれるもので、コレクター垂涎の的になっています。


このようにキュー尻には鳩の他にサウスウエストのロゴマークと唐草模様インレイが入っています。

フォアアームです。
ジェリーが好んだという銘木の1つ、パオ・フェローをベースにして、メイプルの親子6剣デザインなのですが、長い方のハギは先端部分が浮きハギになっています。メイプルのハギの中間部分を削除したように見えますが、ハギの先端部分は別部品になっています。これはカーセンブロック・キューにも見られるデザインで、おそらくジェリーもそれを教えてもらった、あるいは参考にしたのでしょう。

フォアアームのクローズアップです。
ベースのパオ・フェローの杢目が連続していることから、メイプルのハギの先端部分が別部品であることがわかります。
ハギの空隙部分にオーバルで囲まれたスピアヘッドのインレイが入っています。
このスピアヘッドのインレイはサウスウエストでよく使用されますが、このようにスピアヘッドの中にデザイン(スクリムショウ)が入っているのは珍しいです。カーセンブロック色がより濃く出ている部分ですね。

バットスリーブです。
フォアアームと同様、パオ・フェローとバーズアイメイプルの組み合わせです。
鳩以外のインレイはオーバルの中に納まっていますが、マッチングデザインとするためか、鳩にもオーバルを加えたデザインのものも存在します。

インレイ部分のアップです。
このキューのサウスウエストロゴのインレイはバックが黒になっていますが、白地にスクリムショウを施したものもあります。

ジョイント部分です。
ジョイントピンはいつもの3/8-11山の真鍮製で、先端の穴が小さいスモールホールピンです。
マッチングデザインのラダー・リングワークが施されたジョイントキャップが付属しています。
シンボルマークであるサボテンと製作年度の93が刻印されています。写真には写っていませんが、サボテンと93の間にシリアルアンバーも刻印されています。この刻印は1993年から入り始めるので、シリアルがあるサウスウエストとしてはごく初期の物ということになります。
現在サウスウエストではこの「ダブ・キュー」の受注・製作は行なっておらず、入手は大変難しくなってきています。

キューショップジャパンには、絶版になったり材料の制限や職人の高齢化などで年々入手が難しくなっているカスタムキューもあります。興味のある方はお早めにどうぞ。

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必要な写真は以下の4点となっております。

①全体 ②フォアアーム ③バットスリーブ ④ジョイント

※写真角度などは紹介されているキューをご参照ください。
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