スタッフ野田です。
今回はジョイントの話をしたいと思います。
ジョイントは分割されたバットとシャフトを接合するためのもので、キューの部品の中で最も重要なものの一つです。

これは珍しいベンダーキューのジャンプ・ブレイクキューのバットで、シャフトはベンダー特有の3/8-14山ジョイント、バットの分割はユニロックジョイントとなっています。バット分割をユニロックにしたのは、着脱を早く行なうためです。

先日ご紹介したハマキューなどは5分割となっておりジョイントだらけですが、実はジョイントなどというものは無いほうが良く、シャフトとバットが一体化したワンピースキューが理想なのです。スヌーカーにはワンピースキューがよく見られますね。
しかし長すぎて持ち運びが不便なことや、製作が難しくなる(部材が大きくなるほど不良が出る確率が上がる)など、使う側・作る側双方の事情により現在は2ピースキューが主流となっています。
ジョイントの目的は言うまでも無くシャフトとバットをつなぎ合わせることですが、そこには大変高い精度が要求されます。ジョイントの精度が悪ければ、シャフトがまっすぐ付かなかったり異音が発生したりします。

キューの部品はそうそう滅多に取り外したりすることのないものが多いのですが、ジョイントだけは着脱を頻繁に繰り返すことを想定して設計・製作しなければなりません。メーカーが最も気を遣う部分かもしれませんね。

では、代表的なジョイントを見てみましょう。

写真のキューのジョイントは左から順番に下記のようになっています。

カッコ内はサンプルとしたキューのブランド名です。
・14山パイロテッド(アダム)
最もトラディショナルなジョイントのひとつ。 バラブシュカやザンボッティのほとんどはこれです。
・ツインジョイント(アダム)
1本のピンに2種類のネジを設けたアダム独自のジョイントです。後にこれをさらに進化させたトリプルスクリュージョイントも開発されました。
・ユナイテッドジョイント(Mezz)
Mezzキューに使用される14山を改良・強化したようなパイロテッド・ジョイントです。
・ウェイビージョイント(Mezz)
Mezzの上位モデルに使用されるラジアルピンをさらに進化させたようなジョイントです。
・ユニロック(デール・ペリー)
すばやい着脱が可能な、クイックリリースの元祖ともいえるジョイント。
・ラジアルピン(クリス・ニッティ)
曲面で構成されたネジで木製の雌ネジ側を傷めない優れたジョイントです。多くのメーカーが採用しています。
・10山(アンディ・ギルバート)
ラジアルピンが出現するまでは、木ネジといえばこれでした。太ネジ(ビッグスクリュー)とも呼ばれます。現在でも人気があります。
・14山フラットフェイス(ベンダー)
ベンダー特有のジョイント。源流はカーセンブロックですね。
・G10エポキシピン(リチャード・チュディ)
コグノセンティが使用して一躍有名になり、他のメーカーでも使用されました。

この他にも11山、12山、18山など色々なジョイントがあり、中にはシャフト側に雄ネジがついたものもあります。

シャフト側に雄ネジがついたキャロム用キュー。この雄ネジは、シャフトと一体で削りだされています。

これはポケット用のマリポーサ・キューです。バット側に木製の雄ネジが付いています。

変り種ジョイントの代表として、ラヤーニキューに使用されているコニカル・ジョイントがあります。

ランブロスのウルトラ・ジョイントをもっと極端にしたような、すり鉢型のジョイントです。
中心にあるネジは単にバットとシャフトを繋ぎ止めておくだけのもので、シャフト・バット間の力の伝達はこのすり鉢型の接触面で行われます。

さて、一体どのジョイントが最高なのでしょうか?
それに答えられるのは、使う人自身しかいません。
使う人が良いと思うジョイントが、その人にとって最高のジョイントなのです。
ジョイントによって撞いた感触が変わることはありえますが、では撞いた感触だけでジョイントの種類が分かるかといえば、答えはNoです。キューのバランスとの兼ね合いの問題だと私は思っています。
ステンレススチールのジョイントカラーで前バランスのキューを求めるのか、G10ジョイントピンでキューの中央部を軽くしてグリップ部分に重さをかけるのか・・・
気の短い人はユニロック、うっかりネジ山をナメるのが心配という人はラジアルピン、キューを折るのが心配という人はG10(横方向から強い力がかかったとき、バットより先にピンが折れてくれる・・・って、そんな心配する人いる?)など、数多い選択肢の中から好みやこだわりによって選んでください。

 

 

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