こんにちは、スタッフ野田です。
一見どうしようもない配置から一発で脱出する必殺技の数々をご紹介する「不可能を可能にするショット」の第18弾です。
まずはこの配置をご覧ください。

ゲームはナインボールです。
①はかなり薄いですがポケットに近いので何とか入れることができるでしょう。
そして手前のコーナーに⑨があるので、行きがけの駄賃とばかりに⑨を一緒に狙うことが可能です。
こんな感じですね。
これはかなりラッキーな配置だと言えるでしょう。
ではこの配置ではどうでしょう。

①の横に②があり、①をカットすることができません。
また①はクッションに密着しているので、この手球の位置からではバンクショットで①を⑨に向かわせることもできません。
どうしたらよいでしょうか。
この配置では一撃必殺のこんなショットができます。
手球を①のほぼ正面わずかに右側を狙って当てます。
すると手球は①に蹴り返されて⑨に向かいます。
バンクショットをしようとして手球が球クッション(ダブルキス、タマゴ、カチカチなどと呼ばれたりします)してしまったという経験はほとんどの人にあると思いますが、これはそれを意図的に行なうショットです。
このショットが実用的となるのは、このようにクッションから垂直に近い角度で手球を反射させる場合に限ります。
球クッションではわずかな厚みの違いで手球の進む方向が大きく変わり、角度が付くほどそれが顕著になってくるため手球を狙った方向へ誘導することが困難になります。
厚い場合でも精密に狙うことは難しいので、穴前にある的球でなければポケットすることは望めません。
このショットをする場合は、必ず手球に引きを入れてください。
これは球クッションした後に手球に押し(前進回転)がかかっていると反射後の進行方向が変わってしまうためです。
これは手球に前進回転がかかってしまった失敗例です。
注意してみていただければ手球が反射直後は⑨に向かっているのに押しがかかってコースが短クッション側に変わってしまうのがお分かりになると思います。
手球が直接クッションに入る場合はクッションとの摩擦で多少の前進回転は消えてしまうのですが、ボール間の摩擦力はクッションよりもはるかに少ないため、あまり回転が失われません。
たとえ撞点が下であってもゆっくり撞いてしまうと前進回転に変わってしまうため、手球が的球に当たる時点でバックスピンが残っているようにしっかり撞く必要があります。
通常は厄介でしかない球クッションですが、実はこれを利用した有用なショットがいくつかあります。
今回はそのような球クッションを活用したショットをいろいろご紹介します。
さて、ではこの配置はどうでしょう。

①はコーナーポケットから2ポイントほど離れたところにあり、⑨がコーナー穴前にあります。
①・⑨以外の的球は省略していますが、妨害ボールがあって①はどこにも狙えないという前提です。
①はクッションに密着しているので、引きのキャノンショットで⑨を狙うためには絶妙なキュー切れが必要です。
これは①の中心より右を狙って押しの撞点で少し弱めの力加減で撞きます。
すると球クッションで跳ね返された手球が押しでクッションに戻って⑨に向かいます。
つまり押しの球クッションショットということです。
このショットにはキュー切れはまったく必要がなく、厚みと押し加減の配分が全てです。
押しが弱ければ手球がクッションに戻りませんし、かといって強すぎれば的球からの反発力も強くなってクッションに押し戻すことが難しくなります。
同様の方法でこんな配置の⑨を狙うこともできます。

長クッションの手前2ポイントに①がフローズンしていて、奥のコーナーに⑨があるのですが、途中に妨害ボールがあって通常の①⑨コンビもキャノンもできないといった配置です。
もし①をバンクで入れるコースもなかったらどうしようもないと思ってしまいますね。
しかし・・・
このように①に弾かれた手球が妨害ボールを避けた後に押しの回転で⑨へ向かうコースを辿ります。
さらに次の配置を見てください。

手球はフットスポット、①はサイドポケット横のクッションにフローズンしており、そしてコーナー穴前に⑨があります。
①はコーナーへのカットもサイドへの腹切りバンクも妨害ボールがあってできません。
①をバンクさせて穴前の⑨を狙いたいところですが、ヘッドスポットにある⑧がバンクコースを邪魔しています。
これは①を厚み2分の1くらいで狙って強めの押し球で撞けば、手球は⑧を避けるようにカーブして⑨に向かいます。
手球が球クッションした後に押しでコースが変わって⑧をかわしていることがお分かりいただけると思います。
角度と距離があるので成功率は低いですが他に良い方法はないので、一発逆転を狙ってみたいという場合にトライしてみてください。
さて、球クッションは的球をポケットするだけでなく、セーフティにも使うことができます。
この配置をご覧ください。

テーブル上には手球と⑨だけで、⑨は短クッションフローズンしています。
縦バンクで狙うことは可能ですが、この配置では成功の確率は高くはありません。
そこでセーフティとなるのですが、多くの場合、手球を⑨に厚めに当てて、手球を手前の短クッション、⑨を反対側の短クッションに持っていくか、逆に非常に薄く当てて⑨を手前の短クッションに残し、手球を反対側の短クッション側に戻すというどちらかになるでしょう。
どちらを選ぶかはプレーヤー次第で、いずれにしても力加減が成否を分けるショットになるのですが、これを球クッションでセーフティすることができます。
これが可能となる条件は、手球と的球がクッションに対して垂直に並んでいることです。
的球の真正面に正確に当てれば、手球は真後ろに跳ね返されます。
このショットは力加減よりも正確に的球の中心に当てられるかどうかが重要です。
わずかでも中心からズレると簡単な配置が残ってしまう可能性があります。
これは典型的な失敗例です。
この配置は的球が遠いのでなかなか難しいのですが、的球が長クッション際にある配置など手球・的球間が近い場合はかなり正確に当てられるはずです。
なお、手球がクッションに入らなければノークッションファールになってしまうので、ご注意ください。
的球がクッションから少し浮いていれば手球をクッションに入れる必要はないのですが、的球がクッションから離れるほど正確に当てないと的球が左右に動いてしまうので難易度が高まります。
難しいショットではありますが、シュート力には自信があるという方はチャレンジしてみてください。
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