OMEGA/DPK

オメガ/DPKキューです。

カーセンブロックと縁が深いキューです。

このキューはオメガ/DPKとして紹介していますが、カーセンブロックの手が入っている部分が少なからずあります。

オメガは起業家でありキューコレクターだったエド・ボアドにより創設されました。

彼はまだキューメーカーとして独立していなかったマイク・ベンダーにキューを修理してもらったことがあり、その腕前にほれ込んでいました。マイクならきっと良いキューが作れると思ったエドは、自分の経済力とマイクの技術力を合わせれば一流キューメーカーになると確信し、1989年にオメガ・キューカンパニーとしてスタートしました。

そして立ち上げ後にカーセンブロックの協力が得られることになりました。そのためにブランドネームの「OMEGA」にカーセンブロックのイニシャルを付けて「OMEGA/DPK」としました。

エドはこのコネと経済力にモノを言わせて多くのカーセンブロックキューをコレクションしていました。おそらく当時は世界一のカーセンブロック・コレクターだったでしょう。

スタッフ野田は彼のオフィスを訪ねたことがあるのですが、広いオフィスの壁の1面がオメガとカーセンブロックキューで埋め尽くされていて唖然としました。

その時に見た「ココナッツ」というオウムのインレイが入ったカーセンブロックキューが欲しかったのですが、値段の折り合いがつかず断念した思い出があります。

フォアアームです。

このキューには「ペン」という名称がつけられています。

パープルハートに5本の浮きハギデザインなのですが、この形がペンのように見えるからなのでしょう。

ハギの中には緻密なスクリムショウが施されており、この部分がカーセンブロックの手によるものであることは間違いありません。

スクリムショウは手作業で行われているので、同じ模様でも1つずつ微妙な違いがあります。

それにしてもさすがカーセンブロックと思わせる奇妙な模様ですね。いったいモチーフは何なのでしょう。

バットスリーブです。

フォアアームの反転デザインです。

1991年にマイク・ベンダーはオメガ/DPKから独立してアラスカでベンダー・キューを作り始めるのですが、この浮きハギの形と5本ハギというデザインはそのまま受け継がれていきます。過去にこのコーナーでご紹介したベンダーの代表作の1つ「ルイ16世」キューもこのデザインの流れを汲むものです。

ちなみにマイクの後を継いでオメガを作り続けたのは弟のマット・ベンダーでした。

リングワークのデザインも通常のオメガとは異なっており、バットキャップのリングなどはかなり独特なものになっています。

オメガのバットキャップはフレアと呼ばれる縁が広がったものが多いのですが、このキューはごく普通のストレートなものになっています。

ジョイントです。

オメガ/DPKに共通して使われているジョイントピンとジョイントキャップです。

ベンダーキューはデザインや構造の多くはオメガを踏襲していますが、ジョイントは独自のものを使っています。

エド・ボアドは気まぐれな性格なのか、それとも事業として儲からなかったからなのか、1996年にオメガ/DPKの経営を止めてしまいます。その後にコレクションのキューも売り払ってしまい、素晴らしいオメガやカーセンブロックのコレクションは散逸してしまいました。

 

こちらも貴重な限定品です。

 

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