こんにちは、スタッフ野田です。
「不可能を可能にするショット」の第11弾をお届けします。
まずは下記の配置をご覧ください。ゲームはナインボールです。
①を直接ポケットすることも可能なのですが、他の的球の配置が難しいなら①⑨キャノンを狙いにいく人も多いと思います。手球を①に薄く当てて、接線方向が⑨をポケットする厚みに向かうようにするわけですね。
では似たような配置ですが下記の配置ではどうでしょうか。
⑨の位置が少しクッション寄りになり、①が直接ポケット出来ないばかりか、手球をどんなに薄く①に当てても⑨をポケットする厚みにもっていくことができません。
①をクッションに入れてから⑨に当ててポケットするテケテケという方法を使えば①をポケットすることは可能ですが、残りの的球の配置が難しいなら今なんとかして⑨を入れたいところです。
通常のゲームなら①を⑨の後ろに隠すセーフティが最善の策ですが、この「不可能を可能にするショット」では
多人数ゲームを想定し、ひたすら攻めることを前提にしているのでセーフティは考えません。あなたには何か良い方法が思いつきますか?
実はこんな方法があります。
手球を①に厚く当てて、押しの回転で前進させて⑨をポケットできる厚みに向かわせるという「押し抜き」と呼ばれているワザです。
キャノンショットというと、最初の動画説明のように最初に当てる的球から接線方向に狙うことが多いのですが、押し抜きを使えば接線方向にない的球を狙うことができます。
①・⑨の位置が異なる例も見ていただきましょう。
これも①に薄く当てる方法では⑨をポケットできないので、①の中心よりわずかに左を狙って押し抜きます。
この方法をうまく使えば手球の進路が完全にブロックされているような配置でも狙える場合があります。
この配置では①が他の的球に妨害されて通常の方法ではコンビもキャノンも不可能です。
しかし押し抜きを使えば⑨を狙うことができます。
手球のコースをうまくコントロールすれば遠い的球でも狙えます。
このショットは残念ながら使える場面は限られます。
通常のキャノンショットでは接線方向に手球を走らせるのである程度正確に狙えるのですが、押し抜きの場合は押しの撞点と力加減によって手球のコースが大きく変わるため、狙いを付けることが難しいのです。
そのためここに挙げたような、狙う的球がごく近距離にあるか穴前にあるような配置でなければ成功は望めません。
また、最初に手球を当てる的球が動くコースがキャノンショットを妨害することがない配置でなければならないという制限もあります。
そしてこのショットは使うチャンスがあっても気づかない人が多いのです。
ただ、もし使いこなせれば非常に強力な武器になるショットです。
狙いは実際に色々な加減で試してみて経験でつかみ取る必要がありますので、練習してみてください。
上手く決まれば対戦相手を驚かせることができるでしょう。
ビリヤードは実際に撞いて覚えるのが基本なのですが、色々な事情でビリヤード場に行く時間がなかなか作れないという方もいらっしゃるのではないかと思います。
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