こんにちは、スタッフ野田です。
簡単に的球をポケットする為に必要な条件と言えば、皆さんはどんな事を思い浮かべるでしょうか。
1. 的球がポケットに近いこと
2. 狙う厚みが厚い(ポケット・的球・手球が一直線に近い)こと
3. 手球と的球が近いこと
おそらくこの3つが主なものだと思います。
このうち、1.は殆どプレーヤーの自由にはならない要素であり、2.はラストボールでない限りポジションの都合で意図的に薄めに出すこともあるかと思います。
しかし3.については遠いより近い方が簡単であることに異を唱える人はいないでしょう。
ところがあまりに近すぎて困る場合もあります。
的球との間隔が数センチといった至近距離まで近づいてしまうと、どれくらいの厚みで当てるべきかの判断が難しくなるうえに、二度撞きを避ける技術も必要になってきます。
そして運が悪いと手球と的球が完全に密着(フローズン)することがあります。
ビリヤード歴が長い方なら何度かそんな経験をお持ちのことと思います。
キャロムゲームなどでは「立て直し」と言って初期配置に戻すという救済処置があるのですが、ポケットではそのままの配置で続行する場合がほとんどです。
そこで今回は手球と的球がくっついてしまった場合の対処について考えてみたいと思います。
なお、現在日本では手球と的球が密着した場合、どの方向に撞いてもOKというルールが採用されることが多いですが、アメリカや国際的な試合では的球にキュー先が向いてはならないなどの制限がされている場合がありますので、ご注意ください。

では配置図をご覧ください。
ゲームは9ボールで、手球と1番がテーブル中央付近でくっついてしまったの図です。
        ↓

手球と1番は完全に密着しています。
さて、この配置から何か有効なショットはあるでしょうか?

1番はどこにも入れられそうにありません。
仮に何とかなったとしても2番が難しいですし、4・5番もトラブルになっていてランアウトは絶望的でしょう。
しかし、右上の穴前に9番があるので、これを何とか入れられないかと思った方が多いのではないでしょうか。
ではどうすれば手球を正確に9番に向かうように動かせるでしょうか。
手球のコースがコントロールできれば、有効な武器になりますね。
実は簡単な計算で狙うポイントを割り出すことができます。

まず、手球からくっついている的球の方向へ向かってクッションに対して垂直となる線を引き、と交わる点を求めます。
そしてそこから狙うべき場所(この場合9番があるコーナーポケット)までの距離を求めます。この例では3ポイントとなります。
この距離が4ポイント未満なら0.7、4ポイント以上なら0.6を掛けたところが狙うべきポイントです。
この例では、3×0.7=2.1ポイントとなります。
         ↓

撞き方は、手球の中心をゆっくり押し出すように撞きます。
ストロークの仕方によって多少コースが変わりますので、実際に撞いてみて自分のストロークに合わせて微調整してください。

この方法の面白いところは、手球に密着した的球とクッションまでの距離(この配置図で言うと1番と長クッション間の距離)に依存しないところで、これがどのような距離であっても狙うところはほぼ同じになります。

3種類の異なる距離で試した動画をご覧ください。

反対側から撮影した動画もどうぞ。

こちらは2ポイントx0.7=1.4ポイントを狙ったものです。

このようにほぼ狙ったところへ向かうはずですが、強く撞くと手球は計算より少し大きいポイント(手前)に向かいますので、注意してください。

また、極度に厚い、もしくは薄い形になると計算通りにいかなくなります。
このあたりは実際に撞いて適用限界範囲がどれくらいか把握しておきましょう。

さて、例に挙げたものは手球と1番が長クッションに対して垂直に並んでいる配置ですが、現実にはそうならない場合の方が多いでしょう。

これは1番は例題と同じ3ポイントの位置にありますが、1番と手球は3ポイントの位置に向かって並んでいません。どうしたらよいでしょうか。
結論を言うと、これは考慮する必要がありません(!)。つまりそのまま2.1ポイントに向かって撞けばよいのです。
ちょっと信じがたいかもしれませんね。動画をご覧ください。

これは手球と的球が密着しているがゆえに起こる現象であり、ごくわずかでも隙間があるとこのような動きにはなりません。

こんな状態になることはそれほど多くはありませんが、覚えておけば手球を望みの場所に動かす事ができて、ゲームを有利に展開する手助けになります。
こういった知識を蓄えておくことは、ビリヤード上達には不可欠なのです。

ビリヤードの最新知識や情報を常にチェックするためには、定期刊行誌「CUE’S」がオススメです。
1人で練習するだけでは技術は向上しても、知識の向上は難しいのです。


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