THOMAS WAYNE CUES
トーマス・ウェインキューです。
アラスカの技巧派キューメーカーです。
数々のユニークで複雑なデザインのキューを作って人々を驚かせました。
その中には10万ドル(1千万円!)以上の価格で実際に取引されたキューもあります。
しかし今回ご紹介するキューはすっきりしたデザインの、トーマス・ウェインのエントリーモデルとでも言えるキューです。
フォアアームです。
黒檀にココボロの親子6剣ハギとなっています。
ハギには親子共にベニヤが入っています。
インレイワークはありません。
バットスリーブです。
フォアアームとマッチングさせて黒檀とココボロで構成されています。
リングワークはシャフトのカラーとジョイントカラー、そしてこのバットキャップ上部の3か所にマッチングデザインのものが施されています。
尻ゴムは平らな形のものですが、後年の物はメーカー名が入ったドーム型のものが使われるようになります。
その点から見て、このキューは1990年代中期ごろの作品ではないかと思われます。
ジョイントです。
軽くて丈夫なチタニウムのジョイントピンが使われています。
フォアアームに「刻まれた」サインです。
金色のサインペンで手書きされているように見えますが、実はこれは薄い金箔(真鍮の薄板?)を埋め込んであるのです。
従ってリフィニッシュしても消えてしまうことはありません。
また、型板(原版)を使うインレイと違って、1本1本手書きのような微妙な違いがあります。
このようなサインの入れ方をしているのはトーマス・ウェインだけではないかと思います。
ただ、すべてのトーマス・ウェインキューがこうなっているわけではなく、メイプルに黒のサインペンで手書きされたものなどもあります。
カスタムキューの手書きサインには作者のアイデンティティとともに自信と誇りが示されていると思います。
手書きサインが書かれたカスタムキューはいかがでしょうか。