コグノセンティ・キューです。
1990年代に、NC旋盤を駆使した斬新なデザインとエポキシ樹脂製のジョイントピンなどの新機軸で一世を風靡したキューです。
製作者のジョー・ゴールドはシカゴ近郊に住んでいて、地元では名の知られたトーナメントプレーヤーでした。家具の製作を生業としいて、趣味でバイクの部品を作ったりしていたジョーは、当時入手可能などのキューより良いものを自分で作れると確信して、1980年代末期にコグノセンティキューの製作を開始しました。

フォアアームです。
コグノセンティが得意とする、Black & White のパターンを用いたデザインです。
黒檀のベースに白い浮きハギを入れて、さらにハギの中に黒檀のインレイと、シルバーのラインが入っています。
このような複雑な形で長いワンピースのインレイハギを入れることは大変難しく、製作作業中に材料が折損してやり直さなければならないことが少なからずあったのではないかと思います。値段が高い理由はそんなところにもあります。

バットスリーブです。

バットスリーブのインレイのアップです。
コグノセンティの中でも複雑な形のデザインで、フォアアームの浮きハギほど大きくはありませんが、先端が尖っている部分が多いので、やはり製作中に破損しやすいものです。
シルバーのドットやラインのインレイが効果的に施されています。

ジョイントです。
前述の通り、コグノセンティはG10ガラスエポキシ樹脂製のジョイントピンをいち早く導入したことで知られています。
これには2つの目的があり、1つはキューの中央部分になるべく重いものを配置しないという製作コンセプト(その効果については賛否両論あります)によるもので、初期のコグノセンティにはチタン合金のジョイントピンが使用されていました。
もう1つは、シャフトとバットをつないだ状態でキューに横方向から強い力が加わった際に、多くの場合バット側が斜めに裂けるように折れて修理不能になってしまうのですが、樹脂ピンならシャフトやバットにダメージが及ぶ前にピンが折れてくれるのです。
はたしてジョー・ゴールドがそれを意図していたかどうかは不明ですが、私の知るだけでも2件、これのおかげでジョイントピンを交換するだけでキューをもとどおり使えるように修理できた例があります。
現在、このピンの有用性を認めた幾つかのメーカーが樹脂製のピンを採用しています。

名職人が1本ずつ手作りするハイエンドの高級カスタムキューは、単なる道具の域を超えて芸術品とも呼べるものです。その製作技術の極致をご堪能ください。

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必要な写真は以下の4点となっております。

①全体 ②フォアアーム ③バットスリーブ ④ジョイント

※写真角度などは紹介されているキューをご参照ください。
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