マイク・ウェブ/MIKE WEBB #102

B!

WEBB CUSTOM CUES

ロードアイランド州のキューメーカー、マイク・ウェブのキューです。

かなりマイナーなメーカーなので、ご存知ない方も多いと思います。

1994年からキュー製作をしているメーカーですので、もう四半世紀の歴史を持っており、現在もキュー製作を続けています。

マイク・ウェブの名刺です。

「品質は偶然の産物ではない」と謳われています。

それだけ腕に自信があるのでしょう。

ご紹介するキューはスタッフ野田がビリヤードエキスポでマイク・ウェブから直接入手したもので、何の変哲もないプレーンのように見えますが、実はちょっと面白い仕掛けを持つキューです。

フォアアームです。

遠目に見るとメイプルのプレーン(ストレート)のように見えるのですが、実はメイプルのバットにチューリップウッドのハギが4本入っているのです。

色合いが似ているうえに縁取りベニヤも付いていないので非常に分かりにくいです。

この点をマイク・ウェブに聞いたところ、「ハギがないようで実はあるというのが面白いのさ」とのことでした。

そういわれると返す言葉がありませんが、普通はこんな組み合わせにはしないと思います。

バットスリーブです。

黒いリングとバットキャップに挟まれたチューリップウッドとなっています。

ハギがチューリップウッドなのでバットスリーブもチューリップウッドということなのでしょう。

ハギとバットスリーブの素材を合わせるというのは最も伝統的なデザインの1つで、メイプルに黒檀のパターンが多いですね。

ジョイントです。

ラジアルピンのフラットフェイスジョイントです。

このキューを入手したのはもう20年ほど前になるのですが、当時は最新のジョイントの1つでした。

でもジョイントカラーは古めかしい真鍮製で、塗装もかかっていないのでちょっと時間がたつと表面が曇ってしまいます。

さて、ここまではごく普通のキューのように見えますが、実は・・・

フォアアームがグリップ上部で分割できます。

つまり、ジャンプキューになるわけです。

黒いカラーと黒の革巻きのおかげで分割部分の境目が分かりづらいので、ちょっと見ただけではブレイク・ジャンプとは分からないキューです。

この構造はブレイク・ジャンプキューとしてよくあるので、それほど驚くようなものではありませんが、さらにもう1つ、面白い機能がこのキューには備わっています。

グリップ下部とバットスリーブの間が写真のように伸縮するようになっています。

つまりエクステンションの機能が内蔵されているのです。

使い方は、半時計方向にバットスリーブを回すと接続しているロッドの固定が解け、バットスリーブを止まるところまで引き出してから時計方向に回すとそこでロッドが固定されるというものです。

文章だと分かりにくいと思いますので、動画をご覧ください。


この仕掛けを見たのはこの時が初めてだったのですが、その後同じ機能を持った別のメーカーのキューを2本ほど見ましたので、この機能はマイク・ウェブが発明したものではないようです。

これによりエクステンションを別に持たなくてもよくなるわけですが、伸ばし具合はロッドの長さで決まってしまい、長さを調節することはできません。

この機能を採用したキューは殆ど見かけないのですが、もう一工夫すれば優れたエクステンション内蔵キューになり話題を呼ぶと思います。どこかのメーカーさん、採用してみませんか?

このキューはビリヤード・デイズさんの記事でも紹介されています。

スタッフ野田の秘蔵アイテムも紹介されていますので、併せてご覧ください。

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かゆいところに手が届くエクステンション、各種ご用意しております。

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